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2013年8月29日 (木)

待機児解消「横浜方式」の問題点を学ぶ

 報告が遅れましたが、8月9日、日本共産党横浜市会議員団主催の「横浜保育ウォッチィング」に参加してきました。

 2013年5月20日、待機児ゼロ宣言を出した横浜市。マスコミも取り上げ一躍脚光を浴びました。何としてでも待機児解消をやりとげるという市長の強い想いがあちこちで語られ私も注目してきました。

 実際、認可保育所は2010年の436カ所から2013年4月に580カ所へと計144カ所増え、定員で約1万人の増員、これにともない保育予算も166億円の大幅増が実施され、入所支援を丁寧に行う保育コンシェルジュも配置するなど待機児解消のための努力がされています。
 しかし、急激に施設増を行うなか営利目的の株式会社立の保育所参入がすすみ、認可保育所のうち152カ所、26%を占めるなか、決して子どもたちにとってふさわしいとは言えない環境でも保育所開設が認められています。阿部首相はこの「横浜方式」を高く評価し、これをモデルに「待機児解消加速化プラン」を提起していますが問題があることを、ぜひ実態を見てほしいと緊急企画されたものです。
 
 早速、バスに乗り込み全国から集まった地方議員の皆さんと現地見学へ。

まずは高架下につくられた保育園。園庭は真っ暗、上は鉄道、両サイドは道路。橋脚により死角だらけ。

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続いて、オフィスビルを改築した園庭のない保育園。子どもの足で歩いて5分以内に公園があれば良いとの認可基準だそうですが、実際には5分でいける距離に公園はなく、車がビュンビュンと行き交う危険な道を通って公園に行かなければなりません。ビルの裏手には緊急避難用の外階段が後付けで設置されていますが、すべての階とつながっていません。しかも大人用の普通の非常階段で、これでは落下の危険性もあると心配されていました。
    あまりの環境に愕然としました。それでも、これまで入所できなかった保護者の皆さんからは大歓迎を受けているとのことで余計に胸が痛みます。子どもの育ちを第一に考えれば、こういう環境に立地しようという発想にはならないと思うのですが…。

 現地視察を終えてパネルディスカッション。まず、横浜方式の実態を、古谷やすひこ議員から報告。外観の立地だけでなく保育所の内部の様子をスライドで紹介しながら、全国での株式会社の参入率は平均2%程度なのに、横浜で4分の1を占めているのは、規制緩和で参入障壁を減らしてきたからだ。横浜の保育整備指針には細かな基準はなく、だから「鉄道の高架下」「高速道路の高架下」「消防署の上」「ビルの高層階」など、およそ保育園の環境に適さないところに保育園が設置されてきたが、幼稚園ではありえないことだと紹介されました。また、古谷議員は、営利企業では保育運営費が保育以外のことに流用されてしまう可能性があるが、社会福祉法人と違って株式会社には最後まで監査が及ばず公金のチェックができない問題が指摘されました。

 次に、日本最大手の保育運営会社JPホールディングス(日本保育サービス(株))などの取材してきたジャーナリストの猪熊弘子氏から企業保育所の取材を通して見えてきたことが紹介されました。猪熊さんは、企業保育所がどうやって儲けているのかを解説、今の制度では保育園を運営する企業が直接的に株主配当を行う事はできないが、別のグループ企業が給食を受託し、講師を派遣するなどして、保育園を運営する企業から支払いを受け、そこで子会社があげた利益を親会社にまわすことで莫大な利益を出す事が出来る。そのうえ2年後に予定される「新システム」では、保育園を運営する企業による株の配当も合法化されるが、利益追求と保育が両立するのかと各地の保育実態を紹介しながら問題提起されました。

 最後に元保育士のあらき由美子議員がそもそも保育園はどうあるべきなのか、保育士として各国の保育の状況も調査・研究されてきた経験も踏まえ熱く語っていただき、その後、参加者でフリートークを行いました。
 私はなぜ急激に企業参入がすすんでいったのか質問しました。企業参入の背景には公立保育所民営化が影響しているようです。横浜市では2004年から2013年まで計36園もの公立保育所を民間移管し、さらに2017年までの3年間に1年に2園、計6園の民営化をさらに実施しようとしています。全国の報告からも公立保育所の民営化で運営法人を募集しても、社会福祉法人が将来を見越して手を挙げられないなか、企業参入が加速する状況がつくられていると感じました。また、新システムを見越して企業が社会福祉法人を設立して公立保育所民営化の受け皿になる動きも紹介されました。こうなると企業保育の参入を阻み続けるのは難しくなってしまいます。また、社会福祉法人であっても、保育にまわすべきお金を他の事業運営にまわすことも可能になっています。新システムの導入が狙われるなか、保育の質をどう守っていくのかが全国の自治体には問われています。
 こんな状況だからこそ、民営化を推進するのでなく、地域の保育スタンダードとなる公立保育所を存続させることが必要です。営利を追求しない保育のあるべき姿を担保する公立保育所の役割がますます大事になっているのに、残念ながら枚方市は相変わらず規定の方針通り民営化を推進しています。しかし、全国では、公立だからできると待機児解消園を設置したり、民営化の流れにストップをかけたとの報告もあり励まされました。

 民営化より保育所増設を!年度途中も含めた待機児解消を!引き続き、ガンバリマス!
 

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